統制的教育スタイルから自律的学習スタイルへ

投稿者: | 2020年5月28日

健康づくりの支援には
「教育」と「学習」の要素が
含まれています。

そこで、
「統制的な教育スタイル」と
「自律的な学習スタイル」について
考えてみたいと思います。

統制とは、
こちらの思うように
相手の行動を
コントロールすることです。

自律とは、
自分の思うように
自分自身の行動を
コントロールすることです。

誰かを教育する際に、
私たちはどうしても
統制的になってしまいます。

子育ては
その典型ですね。

親には、
子どもにとって必要なことを
教える義務があります。

友達とは
仲良くしなさい。

人に迷惑をかけては
いけません。

遊んだ後は
きちんと片付けなさい。

食事は残さずに
食べなさい。

勉強しなさい。

早く寝て
早く起きなさい。

例をあげれば
きりがありません。

このような親の指示に対して、
子どもの反応は
大きく2つに分かれます。

服従か反抗です。

服従的な子どもは
自分がしたいことを
我慢する傾向があります。

反抗的な子どもは
自己主張が強く
我儘な傾向があります。

どちらにしても
子どもの人格的な成長に
問題の種を植え付けてしまいます。

健康づくり支援が失敗するのは
上述の子育てと同じように
統制的な教育スタイルに
なっているからです。

大人ですから
あからさまに反抗することは
ありませんが・・・

健康づくりに失敗することで
無言の抵抗を示します。

そこで推奨されるのが
自律的な学習スタイルです。

再び、
子育てを例にして
考えてみましょう。

どうすれば、
自律的な学習スタイルで
子どもを教育できるのでしょうか?

どんな子どもでも
生まれながらに持っている
生得的な欲求を利用するのです。

たとえば、子どもには
何かを学びたいという
生得的な欲求があります。

好奇心が旺盛で、
「これは何?」「それはなぜ?」
と質問してきます。

ですから、
子どもの学習意欲を
うまく刺激しながら
教育することができます。

また、子どもには
出来るようになりたいという
生得的な欲求もあります。

今まで出来なかったことが
出来るようになると
大喜びします。

このような成長意欲を
うまく引き出しながら
教育することもできます。

さらに、
人の役に立ちたいという
生得的な欲求もあります。

小さい頃から
親の喜ぶ顔を見たくて
お手伝いをしたりします。

このような貢献意欲に
うまく寄り添いながら
教育することもできます。

そうすると子どもは
我慢したり反抗したりしないで
親の言うことを素直に聞きます。

健康づくりの支援にも
自律的な学習スタイルを
取り入れることができます。

相手は大人ですから
子どものように
素直ではないかもしれません。

しかし、
学習意欲、成長意欲、貢献意欲を
子どもと同じように持っています。

学習し、成長し、貢献することが
大きな喜びであることには
違いありません。

統制的な教育スタイルでは
学習・成長・貢献の意欲を
満足させることはできません。

だから
長続きしないのです。

自律的な学習スタイルであれば、
学習・成長・貢献の意欲を
満足させることができます。

だから
持続的な成果につながるのです。

ではここで、
学習意欲を刺激しながら
健康づくりを支援する方法について
具体的な例を示しましょう。

その例は、
私自身の体験談です。

私は50歳の時に
尿管結石という病気に
なりました。

お腹の周りの脂肪も
年を追うごとに
増えていきました。

原因の一つは
運動不足であると
思い当たりました。

そこで、
ジョギングをしようと
考えたわけです。

しかし、
なかなか重い腰が
上がりません。

53歳のとき、
効果的な運動について調べたところ、
次のことがわかりました。

最大心拍数の65~85%で
有酸素運動を続けると
内臓脂肪が効率的に燃焼する。

最大心拍数の算出方法は
220-自分の年齢
である。

私の場合は
(220-53)×(0.65~0.85)
=109~142

さっそく
心拍をモニターする器械を装着して
ジョギングを始めました。

最初は
数十メートル走っただけで
心拍数が150を超えて
息苦しくなりました。

しかし
定期的に走り続けているうちに
心拍数120~130を無理なく
維持できるようになりました。

そして2年後には
ハーフマラソンを
完走できるまでになりました。

その後、
効果的な食事についても調べ
酵素の重要性を理解できました。

そして、
酵素を意識した食生活と
定期的な運動習慣で
減量することができました。

知的好奇心を刺激することで
学習意欲を満たしながら
健康づくりにも成功できたわけです。

あなたがもし私と同じように
学習意欲が強いタイプなら
この方法はうまくいきます。

しかし、
そうでなければ
うまくいかないでしょう。

その場合は、
成長意欲か貢献意欲に
注目するわけです。

たとえば、
ゴールを設定し、
人と競争するようにすれば
成長意欲が刺激されます。

逆に、
仲間と一緒に
助け合うようにすれば
貢献意欲が刺激されます。

ここで重要なことは、
学習者のことを理解してから
教育することです。

そうすれば、
学習者は喜んで
自律的に学習するでしょう。

統制的教育では、
学習者のことを理解することなく
画一的に指導するので
失敗するわけです。

生活習慣病に対する
健康指導のほとんどが
そうなっています。

食事療法と運動療法を
すべての患者に
同じように指導しています。

目の前の患者が
どんな意欲が強いのかを
理解していません。

健康づくりの支援には
統制的教育スタイルではなく
自律的学習スタイルを
取り入れたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です