自然治癒力の定義

投稿者: | 2020年6月19日

自然治癒力の定義と生命体

自然治癒力を簡潔に定義すると次のようになります。

自然治癒力とは、「自然に治癒する現象の背後で発現している力」のことである。

器械が故障しても、それが治癒するとは言いません。

治癒する主体はあくまでも、病気になった生命体です。

機械のように生命のない物体と、人間のように生きている生命体との大きな違いが、この自然治癒力の有無です。

機械の故障は、いくら時間が経っても自然に修復されることは有り得ないのです。

ところで、生命体とはどのようなものなのでしょうか?

地球上で細胞が誕生した時に、生命もまた誕生したと考えられています。

そういう意味では、生命体の基本単位は細胞だと言えます。

したがって一般には、生命体とは細胞で構成されている生物を指します。

しかし、地球や宇宙全体を一つの生命体と考える人もいますし、私もそのように考えている一人です。

ここでは生命体一般ではなく、あくまでも人間を念頭に置いて話を進めることにします。

そのように考えると、自然治癒力を次のように定義できます。

自然治癒力とは、「人間の病気が自然に治癒する現象の背後で発現している力」のことである。

生命力と自然治癒力との関係

自然治癒力は、生命体に宿っている「生命(いのち)の力」です。

一般にそれは、生命力と呼ばれています。

漢方医学では、この生命力を「気」と言います。

この生命力が発現することで、病気が自然に治癒するわけです。

生命力や気が存在するという考え方に同意しない人もいます。

そういう人は、分子が複雑に絡み合って形成された細胞という構造体が、あらゆる生命現象を生み出すと考えているわけです。

したがって、生命力のような得体の知れないものを想定しなくても、すべての生命現象を物質的な化学反応や情報伝達のプロセスに還元して理解できると主張します。

私は生命現象の基盤に物質的なプロセスが存在することを否定しているわけではありません。

ただ、すべてを物質的なプロセスに還元しようとする唯物論的な立場には賛成できないだけです。

この世界は、物質だけが全てであるとする唯物論とは正反対の立場で私は生きています。

それは、この世界の根源にあるのが「生命力」であり「気」であるという漢方医学の立場です。

以上のことを考えあわせて、自然治癒力を定義すると次のようになります。

自然治癒力とは、「人間の病気が自然に治癒する現象の背後で発現している生命力」のことである。

病気について深く考える

ここで、人間の病気について深く考えてみる必要があります。

なぜなら、人間の場合、身体が病気になることと、身体を構成する細胞が病気になることとの間にズレがあるからです。

大腸癌という病気を例にして考えてみましょう。

私たちは、医者から大腸に癌があると診断された時点で初めて大腸癌という病気になるのです。

しかし、大腸癌が発病するプロセスは、大腸を構成する1個の細胞が癌になった時点から既にスタートしています。

その癌細胞がどんどん増殖し、ある程度の大きさになって初めて大腸癌であると診断されるわけです。

私たちの身体には、発生した癌細胞をやっつけて取り除く免疫力が備わっています。

この免疫力は、生命力の一部です。

したがって、大腸に発生した1個1個の癌細胞を治癒させることによって、私たちが病気にならないようにしてくれているのもまた自然治癒力であると言えます。

このように、病気になる前の段階で、病気にならないようにすることを、漢方医学では「未病を治す」と言います。

したがって自然治癒力は、病気を治癒させる働きだけでなく、未病を治癒させる働きも持っているのだと考えることができます。

以上のことを総括して、自然治癒力を定義すると最終的に次のようになります。

自然治癒力とは、「人間の未病や病気が自然に治癒する現象の背後で発現している生命力」のことである。

私は、自然治癒力という言葉を、この意味で使っています。

この自然治癒力を覚醒させる秘訣を次のブログで紹介します。

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