2018年5月7日 FB投稿記事

5月15日に出版される『病気はチャンス』第1章の中身を
9回に分けて順番にアップしています。
【第6回:漢方外来に女性が多いのはなぜ?】
私の漢方外来を受診する患者さんの7割は女性です。
一般に、男性よりも女性の方が圧倒的に多いのが
漢方外来の特徴であると言えます。
それは、なぜでしょうか?
その理由は3つあります。
(1)
女性は普段から
自分の体調を気にして感じ取るようにしているので、
検査結果に異常がなくても、
自覚症状があれば問題だと考える傾向があるから。
生理の周期によって体調や気分が大きく変化するので、
身体の感覚を自然に意識するようです。
男性は、女性に比べると、
自分の身体の感覚をあまり意識することがありません。
(2)
女性は体調が悪くなったら
早めに他の人に相談する傾向があるから。
男性は、全く逆です。
自分の体調が悪くても、それを隠して、
他人にはなるべく知られないようにする傾向があるのです。
自分の弱さを相手に示すことで助け合って生きる女性と、
自分の強さを相手に示すことで競い合って生きる男性の
違いかもしれません。
(3)
女性は人工的で機械的なものよりも、
自然で神秘的なものを好む傾向があるから。
漢方薬は自然の生薬で作られていて、
その作用もまだ謎に包まれている部分が多いので、
それが好みに合うのでしょう。
男性は、最新の科学技術を駆使して合成された、
作用メカニズムが明確な新薬のほうに
魅力を感じる傾向があります。
ここで述べたことはあくまでも一般論であり、
女性にも男性的な側面があり、
男性にも女性的な側面がありますが、
基本的に男性よりも女性のほうが、漢方との相性が良いと言えます。
本書の読者も女性のほうが多いのではないかと思いますが、
理論や作用メカニズムにこだわる男性の読者にも
納得できるような話をしますので、どうぞ安心してください。
漢方医学の診断・治療体系は意外と理論的であり、
本書ではそれをできるだけわかりやすく説明しています。
また、漢方薬の効果は、現代医学的にも実証され、
その作用メカニズムも動物実験によって明らかになってきました。
最近では、全国の医学部で
漢方が正式なカリキュラムとして教育されるようになり、
多くの医者が実際の臨床で漢方薬を使用する時代になりました。
このように近代化した漢方医学についての正しい知識を身につけて、
女性だけでなく男性にも、
漢方をうまく活用してもらいたいと考えています。
第1章解説動画
第1章 心身全体の不調は漢方におまかせ
前編 https://youtu.be/h2YfBcgxJ9I
中編 https://youtu.be/sXGWNyasLjo
後編 https://youtu.be/swk-uBETcos